詳説 世紀末の火鼠

森永さんのBasicmouseを基に作られたDC2輪のマシンです。

知能ロボコンに出場しましたが調整不足のため自由ボール以外は得点できませんでした。

マイクロマウス大会を目指して改造中です。

外観

写真:カメラ搭載状態

見た目はBasicmouseと変わりません。CMOSカメラを載せることも可能となっています。少し不恰好です。

カメラは物体の種類を見分けるのに使う予定でした。

駆動部

写真:駆動部外観 写真:車輪をはずしたところ 写真:モーターホルダ部

車軸になっているのはエンコーダの軸です。 真鍮丸棒を加工したものをモーター軸に付けて、摩擦で車輪を動かしています。 モーター保持部分は前後に動くようになっており、輪ゴムで引っ張って車輪に押しつけています。

エンコーダは 岩通アイセックのECL202Aです。 モーターは秋月で売られていた12Vマブチモーターです。

エンコーダの値段がモーターの約30倍です。

パワー系

電源はニッケル水素電池6本です。

単4と単3の2種類あったのですが、どうやら後者が会場で壊れたようです。被覆が溶けてセルが1個ショートした状態になっていました。

DCモーターなのでドライバ部分だけがBasicMouseと大きく違います。ライントレース大会用マシンと同様に、TA7257Pをブレーキと回転の2モードで使ってPWM制御するというやや危険な回路になっています。PWM制御に向いたFET構成のICがあるようなのでこれを用いたものに変える予定です。

制御系

写真:CPUボード 写真:センサー

秋月のH8/3048Fマイコンボードを使用しています。2相エンコーダを読むためAVRマイコンのAT90S1200を補助的に使用しています。

マシンに対してボードが大きく見えます。

ロータリーエンコーダを用いて常に位置を計算しています。 これを用いて目標座標に向かいます。

曲線軌道を計画してそれに沿うように走る方法を考えていたのですが、 様々な理由によりまっすぐ走るのが精一杯だったので直進とその場回転の動作しかしていません。

直進時は目標地点の見える方向をフィードバック要素として左右の速度差を制御しています。ある程度以上ずれてしまったら止まってからその場回転動作で向きを直します。

現在ではプログラムが改良され、回転角に対してPD制御をすることにより比較的まっすぐ走ることができます。

大会結果

第15回知能ロボットコンテスト(2003,仙台)

すべて自由ボールのみの得点という結果で、決して良いものではありません。 しかしながらゴールに自由ボールごと転落するという捨て身のパフォーマンスで会場を沸かせました。

1日目の競技後、意外にも実行委員会の推薦を受けて次の日に残ることになりました。 そこで中途半端だった画像処理関係の回路とプログラムを急遽追加して本番で見せることとなりました。カメラの上のLEDがその追加された回路です。

二次予選でもデモンストレーションでも認識には失敗しました。

処理に時間がかかりすぎるのでソフトウェア・ハードウェアの両面とも見直しが必要なようです。

その後

写真:知能ロボコン仕様ver.

第16回知能ロボコンに向けて改造中です。

今度はちゃんと競技が出来るようにします。ラインセンサーが付いています。

付録:動画集(Windows Media ビデオファイル)

文・ロボット製作:山口